人はなぜ恋に落ちるのか
面白い本を見つけました
人類学者、女性、NY在住の著者が、「愛」を生み出している感情をさぐるために、 f MRI、すなわち脳内スキャンを使ってその脳内活動を記録して、結果を考察するという内容です
「つい最近、激しい恋に落ちた人はいませんか??」
NY州立大学の掲示板にこんなチラシが貼られ、その、「激しい恋」をしている男女の脳内をスキャンする
もう、それを想像するだけで、面白い(笑)
「モラルアニマル」(Robert Wright 著)や、「脳が「生きがい」を感じるとき」(Gregory Berns 著)に続いて、ハマりました
でも、なぜ恋に落ちるのか (Why) 、落ちたらどうなるのか (How) については進化論やら動物行動学やらも含めて面白い展開を進めているのですが、そもそも「恋」って何だろう (What) については、書かれていないようでした
そもそも「恋」って何だろう
もう、20年ちかい昔、そのときとても仲良しだった男友達に、真夜中の電話で同じ事を尋ねたことがあります
恋って何なんだろう・・
友人は電話の向こうでしばらく考え、沈黙した部屋の外からは虫の音が聞こえてきて、私は電話を持つ手を右から左にかえました
「たとえば」
友人の少しくぐもった声が言葉を紡ぎ始めました
「想像してみて。君は今公園にいる。季節はそうだな~~、緑が水分をたっぷり含んでいる春。天気がよくって、空は透き通っていて、君はベンチで本を読んでいる。ページを一枚、一枚、ゆっくりとめくっていて、ときおり猫が通り過ぎる穏やかな午後の休日
ふと、本から目を離して、あら、と思って空を仰ぎ、手のひらを宙に浮かべる。穏やかな空気の中に、ほんのりと湿気を含んだ風が君の頬をかすめたような気がしたから
その時、丁度その時、その右手の人差し指に最初の雨粒が一粒落ちるー」
「恋ってこういうことかもしれない。」
私が公園にいることも、ベンチに座っていることも、本を読んでいることも、あらと思って右手を宙に浮かべることも、その人差し指に、たまたま雨粒が一粒落ちてくることも、ただの日常
日常の枠は超えてはいない
けれど
視点を「私」から空中に飛ばし、雲の上にまで持っていくと、その瞬間、雨雲をつくり、一番最初の小さな雨粒がまさしく私の人差し指に落ちることは、天文学的な偶然の結果起こりえた奇跡なのかもしれない
こんな風に、日常の隙間に重なっていく偶然と偶然が、互いの脳みそのどこか(本では前頭葉といってますが、私は寧ろもっと原始的な脳幹のような気がします)が発火して恋が始まるー
そんな、ふとした偶然に物語が紡ぎだされたとき、織重なる偶然は必然へと姿を変え、人は恋に落ちていくのでしょうか
あなたの場合はどうでしたか?
- 作者: ヘレンフィッシャー,Helen Fisher,大野晶子
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- 発売日: 2005/09
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